(time stamps)
0:15 直幹の五葉松
6:00 多幹の蝦夷松
9:59 満開の直幹の桜
12:33 吹き流しの黒松
15:35 箒立ちのケヤキ
本曲は、しらこばと音楽団の委嘱で作曲されたものです。
組曲のうち第一曲の初演は同楽団によるもので、第8回世界盆栽大会inさいたま開催中の2017年2月11日、さいたま市盆栽美術館ロビーコンサートにて行われました。
また、全曲の初演については、2018年11月3日、佐賀市歴史民俗館 浪漫座にて開催されたBrilliant Colors Saxophone Ensembleの演奏によるハッピークローバーコンサートにて行われました。
《概要》
この素晴らしい楽曲は、「盆栽」をテーマにした5曲の小品から構成される組曲です。各曲は、日本の伝統文化である盆栽を題材にしており、それぞれが異なる盆栽をテーマにしています。「直幹の五葉松」 「多幹の蝦夷松」 「満開の直幹の桜」 「吹き流しの黒松」 「箒立ちのケヤキ」という盆栽が、それぞれの曲で表現されています。
楽曲を手掛けた田丸和弥氏は、盆栽そのものの造形だけでなく、その盆栽が連想させる自然や人々の姿をイメージしながら作曲しました。西洋のサックスを用いて表現される和の盆栽の世界は、和洋折衷の美しさを感じさせる作品となっています。
<各曲解説>
第一曲「直幹の五葉松」
太い幹をまっすぐに伸ばし、葉を茂らせ、大樹を想起させる堂々とした姿をもった五葉松の盆栽がテーマです。この組曲で一番長大な第一曲はこの作品の顔ともいえる楽章。日本的で、非拍節的な序奏の後、同じく日本的な旋律とクラシカルな和声を持ったダイナミックなソナタ形式の主部が続きます。
第二曲「多幹の蝦夷松」
北海道の森林を想起させる鉢に多数の寄せ植えをされたエゾマツがテーマです。冷たい空気、穏やかに流れる時間をイメージした緩徐楽章です。
第三曲「満開の直幹の桜」
満開の花を携えたサクラがテーマです。サクラといえばお花見、花見客の陽気ですこし酔っぱらったような、お祭りのような雰囲気をもつ楽曲です。
第四曲「吹き流しの黒松」
強い風が吹きさらす、険しい自然条件の中を生きぬいている様を模した吹き流しのクロマツがテーマで、風の影響で幹を傾けながらも強く生きている様を描いています。ぜひ一度「吹き流し」と呼ばれる盆栽の造形をご覧いただければと思います。
第五曲「箒立ちのケヤキ」
雪のちらつく冬、刺すような冷たい空気にさらされて、葉を落としたケヤキがテーマです。厳しい寒さに耐えて命を蓄えつつも、丸裸の枝が作り出す美しい姿を描いています。人知れず、ただ静かにそこに存在しているケヤキ。心象風景を伴うようなその情景を表現していただければ幸いです。
サックス四重奏のための組曲「盆栽」/ “Bonsai”Suite for Saxophone Quartet
product number:M239-SAX4EN2
Composer:田丸和弥(Kazuya Tamaru)
Duration:0:16:00
Grade:3.5
Instrumentation :Ensemble/サクソフォン4重奏
Publisher:MAESTRO, Inc.
JAN:
Release:2024/08/26
《INSTRUMENTATION》
B♭Soprano Saxophone
E♭Alto Saxophone
B♭Tenor Saxophone
E♭Baritone Saxophone