《概要》
\小編成で奏でるクラッシック名曲選/
ベートーヴェンの「交響曲第4番」は、交響曲第3番「英雄」と第5番「運命」という圧倒的な作品に挟まれ、比較的軽やかな性格を持つことから「陰の名作」とも称されています。しかし、そこにはベートーヴェンならではのユーモアと洗練された表現が光り、彼の作品の中でも非常に独創的かつ深い味わいがあります。
第1楽章は、静かで神秘的な導入部から始まり、その後に現れる活気あふれる主部との対比が印象的です。冒頭のAdagio(「ゆるやかに」)では、内省的で穏やかな旋律が静かに展開され、ベートーヴェンが描く一瞬の静寂と期待感が漂います。しかし、次第にテンポが上がり、アレグロ・ヴィヴァーチェ(「快活に速く」)の主部に突入すると、急に生命力あふれるエネルギッシュな音楽が展開され、まるで新たな世界に飛び込んだかのような解放感が味わえます。
この第1楽章は、シンプルでありながら緻密に組み上げられたテーマが発展し、管楽器と木管楽器の掛け合いによって生み出される豊かな響きが特徴です。ベートーヴェン特有の大胆な転調やリズムの変化も楽しめ、彼のユニークな音楽的発想が随所に感じられます。全体として、喜びと躍動感があふれるこの楽章は、聴く者にベートーヴェンの音楽的探究心と彼の喜びに満ちた精神を届けてくれることでしょう。
吹奏楽小編成に編曲された本作では、オリジナルの魅力を生かしつつ、吹奏楽ならではの新たな魅力を引き出しています。各パートに高度な演奏技術が要求されますが、細部まで工夫された編曲により、無理なく演奏できるようになっており、団員一人ひとりの力量が発揮されることでしょう。編成が小規模でありながらも、原曲の持つスケール感とエネルギーを損なわずに再現されており、吹奏楽団による演奏でさらに広がりと深みを持つ作品となっています。
また、ベートーヴェンの音楽を通して古典的な交響曲の構造や、音楽の深みを学ぶことができるため、学生バンドや中小規模の吹奏楽団にも最適です。演奏会で取り上げることで、ベートーヴェンの偉大な遺産に触れ、観客と共に新たな感動を共有できる作品となるはずです。
交響曲第4番 第1楽章/“Symphony No.4 Op.60"
product number:M182-WE9
Composer:ベートーヴェン (L. van. Beethoven)
Arranger:山口哲人(Akihito Yamaguchi)
Duration:0:10:00
Grade:3.5
Instrumentation :For Wind Ensemble / 吹奏楽小編成(19人〜演奏可能)
Publisher:MAESTRO, Inc.
JAN:
Release:2024/11/03
《INSTRUMENTATION》
Flute 1
Flute 2
Oboe (Option)
Bassoon (Option)
B♭Clarinet 1
B♭Clarinet 2
B♭Bass Clarinet
E♭Alto Saxophone 1
E♭Alto Saxophone 2
B♭Tenor Saxophone
E♭Baritone Saxophone
B♭Trumpet 1
B♭Trumpet 2
Horns 1
Horns 2
Trombone 1
Trombone 2
Euphonium
Tuba
String Bass
Timpani
Xylophone (Option)